効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

*徳島空港水素ステーション

徳島県徳島空港に整備を進めていた水素ステーション=写真=が完成し、19日から運用を開始するという報道記事を見て、燃料電池自動車かバスのためかと思ったら、空港内で使う貨物搬送用フォークリフトの燃料にするということだ。空港ビル屋上に設置した太陽光パネルで発電する電気で水素を生成するということで、地方空港としては初めての取り組みだと報じられている。東京や大阪の大空港で同じような水素の製造消費が行われているということをこれまで知らなかったが、その規模はどれほどのものだろうか。

徳島空港ビルが事業主体となり国や県の補助を受け合計約1億4200万円かけて整備したということで、1日の水素の製造能力は1.5キログラムで、約19キログラムの貯蔵タンクを備えている。徳島県内では県庁敷地内についで2件目。県庁の設備は燃料電池自動車用だけのはず。フォークリフトは一台新たに調達している。約1,200万円。トヨタL&F徳島が空港ビルにリースし、日本航空へ再リースする形で、空港内の貨物搬送に使用する。水素を満タン(1.2キログラム)にすれば8時間稼働ができる。このフォークリフトは多分豊田自動織機が作ったものだろう。普通の燃料電池自動車のようにあちこち走る車ではないから、充填装置も一カ所に集約できる。

フォークリフトや牽引車は空港には必需の物だが、これまではエンジン駆動か蓄電池を使った物だ。地球温暖化対応には有効な物だから、燃料電池駆動のフォークリフトや牽引車の普及に力を入れても事業性が出るような制度設計ができれば普及するだろう。同様の設備を福岡空港とは鹿児島空港に設置すれば、いま九州で土日の度に起きている太陽光、風力発電の出力抑制を回避することは可能だろう。九州電力も政府も、予定に合わせて需要を増加できるいわゆるデマンドサイド・マネジメントの普及にもっと力を入れるべきだと思うし、水素の製造、高圧貯蔵は最適な物の一つになるはずだ。