効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■ガス事業でデマンドサイド・マネジメント

電力事業の場合、需要の変動を抑制したり、再生可能エネルギーによる発電の抑制を少なくするために、スマートメーターを利用して需要を制御(DR)することが行われる。日本ではまだ広く行われていないが、米国ではかなり前から需要を引き下げるDRが行われ、最近では需要を意図的に引き上げて、再生可能エネルギーからの電力の消費量を多くする方式が普及し始めている。だが、それがガス供給にも始まるという情報に接して驚いている。

ガス事業の場合、高圧でガスを送出するため、パイプ自体が一種のガスタンクの役割を果たしていて、需給のバランスは圧力変動でとるようになっている。ところが、米国ではガスの供給をするパイプラインの容量に余裕がなくなっている地域があり、ガスの消費についてDRが行われようとしている。これが可能になったのは、ガスのスマートメーターが普及してきたことと、自動制御ができる温度管理用サーモスタットを使う消費者が増えたためだ。ガス供給事業者から、ガスの消費を意図的に上げたり下げたりする信号に対応する消費者は、ガス代が安くなったりするサービスを受けることができる。このような需要制御が日本で普及するのは、ガスのスマートメーターの利用が行われていないためまだ先のことだろう。