効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■技術力をつけた中国

世界知的所有権機関WIPO)が19日発表した2018年の特許の国際出願件数について報じた記事を読んで、日本は中国にもはや追いつくことは出来ないだろうと感じた。通信や人工知能(AI)関連などで中国の勢いが鮮明で首位の米国を急速に追い上げている。WIPOによると、世界全体の出願件数は前年比4%増の25万3千件と9年連続で増加し、過去最多を更新した。その数字を押し上げているのは中国だ。ここ数年の推移を示した図表を見ると、中国の特許申請数が急増しているのに対し、米国は2014年頃から低落している。日本はといえば、一応増加してはいるが、その出願件数では2017年に中国に追い抜かれている。上位5ヶ国は、米国、中国、日本、ドイツ、韓国の純だ。米国が盛んに中国は他国が開発した技術をコピーして産業を育成していると非難しているが、この特許出願数の推移を見ると、それは的の外れた批判だと感じる。

自然エネルギーの世界でも、太陽光発電風力発電の設置数が極めて多いし、原子力発電についても自前の力で建設ができる力を持ち、海外への輸出攻勢でも他国を圧倒している。鉄道インフラでも同じことが言える。日本は、これまでの技術力の高さが、相対的に中国に比べて低落しているのを認めようとせず、米国と同じような反応をしているような気がしてならない。中国の政治体制が的を絞った技術開発、商品開発を成功させているのは確かだろうが、その成果は着実に中国社会の基盤となっている。日本は、商品開発力でも中国に追い越されているのではないだろうか。自国が置かれた地位を客観的に認識し、それを引き上げるにはどうしたら良いかを考えるべきだろう。