効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

*九州電力の再エネ出力制御

九州電力は11月10日・11日の土日、九州本土で一部再エネ発電事業者に対して出力制御を指示した。これで10月13日・14日、10月20日・21日、11月3日・4日に続いての実施となる。11月に入れば暖房用の電力需要も増えるために、この出力制御は行う必要がないのではないかと思っていたのが、おそらく九州電力にとってもこのような頻度になるとは予想していなかっただろう。報道によれば、11月10日・11日の九州エリアの天気はおおむね晴れで、各地の最高気温は20度を超え、10日は鹿児島で22.6度、11日は佐賀で22.2度だった。両日とも出力制御制御時間は9時~16時。気象データを踏まえて前日に出力制御を指示し、当日に最新(5時)の気象データに基づき、エリア需要と再エネ出力を見直し指示された。この週末はどうなるだろうか。夏と冬との中間期の週末には電力需要が落ちることは分かるが、ここまでとは予想していなかった。

九州電力の情報では、11月10日の再エネ出力制御量は81万kW、再エネ接続量に対する比率(最新の再エネ(太陽光発電風力発電)設備量に基づき都度算定)は14%。予想需給状況によると、優先給電ルールに基づき火力発電等を最大限抑制した供給力は1268万kW、うち再エネ量は586万kW。最大余剰電力発生時刻におけるエリア需要777万kWで、大容量蓄電池の充電・揚水運転で226万kW、域外送電で184万kWを調整している。いま九州電力管内では、原発が4基稼働しており、その定格出力を合わせると414万kW。この出力を少し絞れば、再エネ制御はしなくて済んだかも知れない。どのような実稼働状況だったのかが知りたいところだ。原発の出力抑制は安全性を阻害するという人も居るし、国の指針でも抑制の必要はないことになっている。個々の再エネ事業者にとっては、事業性の判断が今後難しくなるだろう。11日の数字も発表されているが、再エネルギーの出力制御量は10日より若干大きくなり100万kW。

電力消費量の伸びは全体として予想より小さくなっているから、再エネルギーの出力制御はまだ繰り返されるかも知れない。