効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■全固体電池

いま広く利用されているリチウムイオン電池の電解液が、何かの異常状態になると着火し、時には取り付けられているものの火災の原因になることもある。そのため、液体ではなく固体の電解質を使う全固体電解質電池の開発競争が進展しているが、それに富士通系の電子部品メーカー、FDKが一歩先を走り出したというニュアンスの報道がなされている。指先にのる小型のチップ型電池のサンプル出荷を始め、2020年以降の本格立ち上げをにらみ、専門組織を発足したということだ。

FDKが開発した全固体電池は、長さが4ミリメートル、高さと幅が2ミリのサイズで、電子部品のように装置に組み込める。今回のサンプルに加えて、4月には電池容量を大きくした試作タイプも供給する。村田製作所太陽誘電などライバルに先駆けて受注獲得につなげる考えで、顧客に試してもらいながら性能を高めるとのこと。FDKの全固体電池は材料に可燃物を使わず安全性が高い。身体に装着するウエアラブル機器の電池、半導体製品のバックアップの電源としての採用をまず見込む。電極と電解質を重ねた構造をしている。

この電池の充放電効率などの数字は出されていないが、これまでのリチウムイオン電池に匹敵する性能が求められているはずだ。今後どのような商品とそのアプリケーションが出されるか、注視することにする。電気自動車用規模のものが想定されているとすれば、その市場は極めて大きいはずだ。