効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

カーボンファイバー(炭素繊維)が蓄電池に

スエーデンのCharmers工科大学の発表によると、それ自身が電極になって蓄電池となる可能性があることを実証したようだ。カーボンファイバーは、強靱な構造材として実用化されているが、その組成である炭素の構造を若干隙間があるようなものにすることによって、そこに電子が貯まるようにすることができるとのこと。カーボンファイバーは軽くて強靱であって、いま飛行機の導体や翼に使われ、自動車を軽くすることによって燃費を大きく上げてもいる。その素材の結晶構造を変えることによって、若干強度は犠牲になるものの、構造材として使うには十分すぎる強度を維持しながら、軽さについてはスチールより遙かに軽い素材になり、その素材全体が蓄電池になるというものだ。
いま目標としているのは、自動車の素材の殆どをこれに切り替え、自動車全体が蓄電池にするというもことだ。しかも、蓄電効果があることは、動きで発電させることができるし、センサーの役割も果たし、その信号やデータを伝える役割まで果たすことが出来るそうだ。従来の強度重視のカーボンファイバーにもこのような効果があるのだが、実用的に使えるほどのものではないという。結晶構造を変えたカーボンファイバーをリチウムイオン電池の電極に使えば、電池の性能を向上させる可能性もあるらしい。
この発表から見ると、自動車や航空機の構造材を新しい結晶構造を持つカーボンファイバーに置き換えるのに大きな障害となるものはなさそうだから、極めてエネルギー効率の高い輸送機関が開発されることになるだろう。