効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

蓄電池素材としてのナトリウムとカリウム

いま蓄電池というとリチウムイオン電池が圧倒的に有利な地位を占めているが、リチウムは希少金属であって生産地も南米を中心にして偏在しているために、いずれ資源の枯渇も心配されている。同じような資源としてナトリウムとカリウムがあり、地球上に豊富にあるそれを利用した蓄電池の開発が世界で進められているが、まだ素材としての特性が安定したものが開発されていない。
今日入手した情報では、米国インディアナ州にあるパーデュー大学が、ナトリウムを粉末状にした電極で、これまで得られなかった、安定度が高く、蓄電容量も大きいものを開発したと云うことだ。ナトリウムは、空気中のものも含めて水分があると爆発する特性があるが、その克服には既に成功しているところがあるが、安定した電流の流れを維持することが出来なかったそうだ。それを特殊な粉末状にすることで優れた蓄電池素材になる可能性を見出したという。同大学の発表によると、この方法は現在の電極製造プロセスに少し手を加えるだけで実施可能だとしている。このナトリウム素材はリチウムを使った物よりも重くなるそうだが、蓄電池としての性能をリチウムイオン電池より優れた物にできるとも述べている。これが本当に商品化できるかどうかは分からないが、新しい素材による蓄電池が登場するかも知れない。
同様な内容だが、カリウムを使った蓄電池の正極材料を開発したと、日本の産業総合研究所が発表している。電圧にかかわる特性が、リチウムイオン電池の正極材料と同等だという。開発した材料は、カリウムテルル、酸素などからなる層状の結晶構造を持ち、結晶中にカリウムが蜂の巣型の層状となることでカリウムイオンが高速に移動できるようになったとのこと。今後は、正極材料の性能を高めるとともに、それに適した負極なども開発して実用化を目指すということだ。
どちらもまだ商品化には遠いものだが、普遍的に存在する素材でリチウムイオン蓄電池と同様なものが開発されそうな予感がする。