効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

米国はどこまで世界の連帯から脱するのか

ヘイリー米国連大使は19日、米国が国連人権理事会から離脱すると表明したという報道を見てある種の恐怖感、あるいは、脱力感を持ってしまった。トランプ米政権が肩入れするイスラエルに対する人権理事会の「慢性的な偏見」や、組織改革の遅れを理由に挙げたが、実に一方的で意味のない理由だと思う。長年、人権擁護の旗振り役を務めてきた米国が完全に人権に対する取り組みに後ろ向きになってしまったようだ。これまでにも、地球温暖化対応に向けたパリ協定からも離脱したし、世界の教育問題を取り上げてきたユネスコからも同様な動きをしている。TPPからも離脱した。今度離脱する国際的組織は何だろうか。国連自体から脱退しないとも限らない。
さらには国際貿易についても一方的な関税をかけるなど、国際的な米国への信頼感は凋落している。自国主義が最悪の方向に向かったものだと思う。その延長として、日本に対する米国からのLNGなどの輸出について、一時的に厳しい姿勢を見せることによって、自国だけを有利にしようとする可能性もある。日本との原子力協定についても、プルトニウムの保持に制約条件を厳しくする方向に向かっているが、他国の弱みを自国の利得強化に利用する姿勢は、長期的に見ると米国が維持してきた大国の条件を自ら放棄する方向に向かうのに気づいていないのだろう。これまでにも米国が世界情勢を不安定化したことは何度かあったが、トランプ政権になってからの方向は、彼の個人的嗜好で国際政治を判断することから作り出されているのだと感じている。