効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

原発新設と日立

日立製作所が英国で原発の新設をしようとしているが、安全基準の強化で総事業費は約3兆円に膨らんでいる。リスクを抑えたい日立は中西宏明会長が近く渡英し、英政府の出資引き上げなどを求めてメイ首相と交渉するということだ。決裂すれば事業から撤退する方針だとされる。日立は12年に現地事業会社の全株を890億円で買い取り、約2千億円を投じ原子炉の設計や工事準備を進めてきた。19年に予定する着工へ最終段階に入っている。英政府は原発新設プロジェクトへの直接出資に後ろ向きとされ、日立は直談判で政府出資の積み増しなどの支援策とその確約を求める見通しだ。英国政府の出資によって同社の出資比率を50%未満まで下げられるよう求めてきた。工事遅延などで巨額の損失が発生すれば、日立が全額をかぶることになるからだ。歴史的に見ても、原発の建設工事で予定通り進行して運開したのは皆無に近いから、英国政府の出資があったとしても極めて日立にとってリスクの高いプロジェクトになっている。日立は採算を保てるプロジェクトにするため、高い単価での政府買い取り保証を求めているが、これも英国の財政状況やEU離脱との関係でおそらく無理だろう。英政府が提示している買い取り価格は、日立が求める水準より約2割低いもようだと報じられている。原発輸出を成長戦略に掲げてきた日本も、日立案件には政府系金融機関を通じた出資や融資保証を付けて推す方針だが、今の財政状況から見て実際には無理だろう。日立は早く諦めるほうが損失を拡大しないで終息できる。この状況はそのまま日本の原発新設に当てはまるはずだ。