効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

電気自動車と送配電系統の関係

これから電気自動車(EV)が急速に普及するとされるが、その速度は国によって大きく異なるだろう。一番影響するのは充電設備の普及だが、走行距離が今後どれほど伸びるかによって利用者の数は異なることになる。米国では州毎にEVの普及速度は異なるようだが、それに対応する電力事業の取り組みもかなり違うようだ。もっとも懸念されながら十分な対応策が生まれていないのは、自宅などで停車中に充電する方式の普及が、コントロールされないままに行われると、これまでの需要パターンと大きく異なる需要カーブが生まれるということだ。例えば、これまでは需要が少なかった夜に充電需要が急増することだ。もし、それに対応する系統制御が円滑に行かなければ、停電を発生させる可能性があると懸念されている。それを避けるためには、EVの保有者が自由に充電するのではなく、何らかのルールに従って行うように誘導することが必要になる。ところが、各州の電力事業者の取り組みがまだ標準化されておらず、どの方式が効果的かの検証も進んでいないらしい。日本でも同じ状況にあるのだろうが、自宅や勤務先で充電するEVの数はまだ少ないようだから、具体的な回避策を打ち出すのは少し先になるだろうが、米国の先進事例などを参考に、日本に適した方策を検討する必要があるだろう。