効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■水素を運ぶパイプの安全性

水素社会の到来で、水素を大量に輸送する、あるいは、設備の中で水素を移動させる経路に使うパイプの安全性の確保が課題となる。水素には金属を脆くする特性があるために、輸送に使う鋼管の厚みを大きく増やしたり、分子が小さいために漏れやすいという特性もあるために、パイプの接合部の漏れ防止策に特別の方策が要求されていた。

だが、最近米国での研究で分かったことだが、鋼管の厚みをこれまでほどに大きくする必要はなく、これまでよりも40%ほど薄い物が使えるし、さらには、炭素繊維で補強したプラスチックパイプ(FRP)も使えるという。そうなれば、水素輸送用パイプや水素を使う設備の部品のコストが大幅に下がることになる。接合部の漏れについては、対応策はとりやすいだろう。

天然ガス輸送パイプラインに水素を混入させる方式が欧米で始まろうとしているが、燃料として天然ガスを使う機器の特性を外れた燃焼特性にならないようにしなければ、天然ガスが使えなくなる。特に日本では、燃焼特性が厳密に管理されているので、この方式は利用できないはずだ。