効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

自然エネルギー世界白書2017

REN21(Renewable Energy Policy Network for the 21st Century)が日本時間の今朝、Global Status Reportを発表した。この年次報告は、2005年に出されて以来毎年発表されているもので、世界の自然エネルギーの進展状況を具体的な数字を示して説明してくれる。今回特筆すべきことは、自然エネルギーによる発電は世界全体で161GW(1億6100万kW)という記録的な拡大にも関わらず、投資金額(2416億米ドル)は前年に比べて23%も減少したということだ。設備コストが急速に下がったことで、日本ではまだコストが高いとか不安定だとか言われている太陽光発電風力発電などが、世界的に見ると従来型発電からの電力よりも安くなっている国もあるということだ。前年に比べて太陽光発電は約47%も設備容量が増加し、風力発電は34%、水力発電は15.5%設備容量が増加している。デンマーク、エジプト、メキシコ、ペルー、アラブ首長国連邦での最近の買電契約では、自然エネルギーによる電気はキロワット時あたり5セント米ドル(約5.6円)以下で調達されている。これは各国での化石燃料原子力の発電コストより充分に安い。ドイツの洋上風力発電では補助金なしで電力を販売できており、今後自然エネルギーがもっとも安い電力の調達先になる方向に世界が向かっていることを示している。
この報告書は http://www.ren21.net/gsr-2017/ から一括(300ページを超える)あるいは章別にダウンロードできる。日本語での紹介がISEP(環境エネルギー政策研究所)のホームページに出されていて概要は分かるようになっている。http://www.isep.or.jp/archives/library/10381