効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

酸水素ガスを自動車燃料の一部に

今朝の日経新聞に、「東京海洋大学などの産学チームは液化石油ガス(LPG)や天然ガスといった既存の自動車用燃料に、水素と酸素からなるガスを約50%混ぜて走行させることに成功した。従来の燃料を減らしても、燃焼効率を保つ効果があった。LPGを使うタクシーやバス、トラックなどで現在のエンジンを改造しなくても排ガス中の二酸化炭素(CO2)が半減する。」と報じられているのを見て、既存技術にも大きな開発を加える余地がまだまだあるのだなと感動した。
すでに溶接などに使われているこの酸水素ガス(水素2,酸素1の比率)についてはこれまでにここで書いたこともある。その記述について、利用は法規違反だというコメントを貰ったこともある。しかし、このような新しいものが法規違反である場合、法規を更新する方が望ましいことが多い。
夜間電力を使えばLPGの小売価格の10分の一程度のコストでガスを製造できる見通しだというから、早く普及するかもしれない。問題は、LPG車や天然ガス車のガス充填場のそばにこのガスを圧入できるだけの圧力である程度の量を保管しなければならず、それを充填する方法について安全性を保証しなければならないということだ。LPGの場合には、ガスは加圧されて液状になっている。そこへ圧入する酸水素ガスは液化することはない。だからLPGにガスが混在する形となり、LPGと酸水素ガスが均一に混ざるのかが分からない。天然ガス車の場合だと、高圧の天然ガスを圧入する時に、同じ圧力の酸水素ガスを等量混入してやればよいからLPGより扱いやすいかもしれない。
先に述べた法規制は課題となるだろう。酸水素ガスという極めて可燃性の高いものを扱うだけに、また、これまでにこのようなガスを一般の人がアクセスできるところで使うケースはなかっただろうから、設備規準を策定するのに長い時間がかかるかもしれない。
普通の電力ではなく、風力や太陽のエネルギーを使って酸水素ガスを作ることもできるだろう。これからこのシステムがどのような形で実用化するか、楽しみに見ていよう。