効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

ガス市場全面自由化に備える関西電力

電力会社は、都市ガス事業とは比較にならない量のLNGを輸入し発電用燃料に使っている。コストの安いLNG液化天然ガス)を入手しやすいポジションになる。原発がいま稼働していないのに対応して、古い石油火力をだましだまし使っているが、今後はLNG火力と、新設がいくつか見られている石炭火力、特に前者に傾斜するだろう。そして、LNGは都市ガスの原料でもあるから、来年4月からの都市ガス市場の自由化に対応して、関西電力は、都市ガスと同じ特性を持つガスを送り出せるような設備を拡充しているようだ。LNGは輸入先によって特性が異なるのを、都市ガス事業はLPGなどを混ぜて厳密な調整をしたうえで、ガス漏れが発見されやすいように臭いをつけている。電力会社が都市ガス事業として、これまで都市ガス事業が保有してきたガス圧送設備に自社のガスを送り込んで託送するためには、この調整を同じようにしなければならない。これに対応するものとして関西電力は15日、姫路LNG基地のガス託送設備を報道陣に公開したと報じられている。境港発電所にも同様の設備が設置されるらしい、いまガスの託送料金をどのように算定するかが議論されているが、関西電力の動きは、家庭用需要を取り込もうとする意欲を明確に示したものだ。だがこれまで電力会社は、ガス事業のショップや代理店のように個別の家庭と密接な関係を持っていない。それに代わる地元密着の企業と連携しなければ家庭用市場に入るのは難しい。関電の場合岩谷産業と手を組んだが、さらに異なった連携事業が構想されているだろう。どのように展開が行われるか、新年に入ると様々な方策が出てくるだろうと予想される。