効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

フランスの原発

フランスは電力の大きな部分を原発に頼ってきた。いま58基を保有しているが、その中の多くのものに、炉心部分や蒸気発生器に問題が発見され、次々に停止を余儀なくされている。10月19日時点で21基が発電を停止し、さらに停止するプラントが続出しようとしている。その結果、発電コストが安いとされる原発の大半が停止する可能性もあり、この冬の電気料金が急騰することは確実になっている。フランスは不足分を周辺諸国から調達でいるとはいえ、他の国から十分な供給を受けることができる保証はなく、大停電が起きるかも知れないとも言われている。原子炉の素材に問題がある他、認証を受けていない鋼材が使われていたものもあることが分かり、運転を続けると致命的な事故を起こす可能性もあった。
この原子炉中心部の鋼材に問題があると言うことは、英国の原子力発電所にも飛び火し、現在稼働中のものの他、建設中のものにも欠陥があるとされている。これらの原発の稼働停止は容量規模が大きいために、欧州全体に大きな影響を与えるだろう。英国の場合、欧州大陸との連系容量ではカバーできないために、高料金、停電のリスクもあるようだ。フランスも英国も、石炭火力や再生可能エネルギーを増強しようとしているが、迅速な対応は難しいだろう。今後の動きは日本にも波及する可能性は高い。