効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

日本の電力事業のメンテ投資に疑問

一昨日にも書いたことだが、12日午後に発生した埼玉県新座市の地中送電線ケーブル火災は、同日午後3時30分すぎに都内で最大約37万件の停電を引き起こした。午後4時25分までに停電を解消したが、都内での信号消灯や霞が関省庁での停電発生など、都心中枢まで影響は及んだ。延べ約58万6千件が停電したとされ、具体的なトラブルの内容はまだはっきりしていない。火災は新座変電所から約1.9キロメートル、都内の練馬変電所と豊島変電所につながる洞道内で発生。最初に練馬変電所へつなぐ27万5千V北武蔵野線が停止、続いて豊島変電所につなぐ27万5千V城北線も停止したと報じられている。この地中高圧送電線が、33年前に設置されたものだと知って唖然とした。日本の電力の供給への信頼性は非常に高く、メンテナンスが入念に行われていると聞かされていたからだ。古いタイプの高圧線が使われ、漏電による火災の可能性が指摘されていたものが顕在化したものだ。これは東電だけでなく、これまでの全電力会社にも可能性があるものだろう。
トラブルが発生して停電を起こしたのが送電系統だから、迂回した送電が可能であるはずで、殆ど停電は解消しただろうが、供給能力が大きく低下する可能性がある。米国でもハリケーンによって送電系統がダメージを受けて、数日間も停電が解消しなかったニューヨークのような事例があり、いまマイクログリッドを構築することによって停電の可能性を低下させようとしている。これが意味するものは、大手の電力事業が構築してきた大規模な送電系統への不信感だと思う。日本でもこれから自前の発電、蓄電機能を増強しようとする動きが出るだろう。それは関東だけでなく全国レベルの動きになり、妙な言い方だが、新しい産業が始まるといっても誤りではあるまい。