効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

LNG市場

これまで日本ガス協会の会長でおられた尾崎裕 氏(大阪ガス会長)は19日の定例会見で、日本でのLNG(液化天然ガス)市場の創設について、「長期的、短期的な取引をどう組み合わせ、日本のユーザーがどのようなメリットを得られるか研究しないといけない」と語ったと報じられている。確かにLNGの取引市場を日本に作ることは大きなメリットがある。これまでLNG価格は原油価格にリンクしているものが多かったのだが、これを脱却してLNGだけの価値を取引できるようにすることは、これによってLNG価格が下がるということは必ずしも言えないが、世界での取引量の中で大きな比重を占める日本が価格形成を主導することは、大いに必要なことだと思う。同時に、尾崎氏が指摘したように、「マーケットのみでエネルギーの利用と関係なくビジネスをしようというプレーヤーも出てくる。どう影響するかも考えて市場の設計をしないといけない」ということには良く配慮した制度設計をしなくてはならないだろう。今の電力市場の全面自由化も同じで、今後電力価格が下がるかと言えば、必ず下がるとは言えないのと同じだし、自由化市場を利用して利益を得ようとするものが出るかも知れない。自由市場は諸刃の剣であることはよう弁えておかなくてはならないだろう。