4月16日に熊本地域を襲った地震で震度7(この数値以上の地震強度はなく、これが最大だということは以前に書いた)だった熊本県南阿蘇村のあった九州電力の水力発電所「黒川第一発電所」の貯水槽などの設備が損壊したことで大規模な山崩れが起きたことがこのほど報じられた。地震による山の動揺が起こしたにしては規模が大きいなという感じは最初からしていたのだが、大量の水が一度に流れたからだとすれば、さもありなんという気がする。2人が命を失っている。水力発電所の大規模貯水ダムが破壊して下流域に大きな被害を出した事例が海外にあることは知識としてあったが、現実にそれが身近で起きたということは、日本も水力発電に頼っている部分が多いだけに、ダムの現状がどのようなものか知りたいと思うようになった。発電所用のダム建設には当然地震のことも設計に組み込まれているはずだ。しかし、今回の地震が異常続きであるだけに、他のダムにも可能性がないとは言えないだろう。想定外の力がダムの壁に加わることを前提にした点検が必要になるかも知れない。最近地域で小水力発電所の建設プロジェクトが増えている。大きなダムを造るものは数的には少ないようだが、どこかに僅かでも水をためる方式が使われる場合には、大きな地震に襲われることを想定しておくことが必要だろう。水路式で流水を使う発電方式であっても、水路が地震の影響を受けるかもしれない。安全確認は避けられないだろう。