効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

北東アジア電力網

日本の電力供給システムは、国内で完結している。その上、これまでは電力会社9社(沖縄を除く)の地域独占で、電力会社間の連系線も広域的には利用されていなかった。これが電力市場の全面自由化を迎えて、広域的な供給管理、制御が行われるようになった。しかし、カリフォルニア州より小さな日本は、日本以外の国と電力供給網を分け合っていない。欧州諸国の電力市場との決定的な差だ。これを打破しようとする動きが具体化し始めた。ソフトバンクグループが30日、中国の国家電網公司韓国電力公社、ロシア・グリッドと、電力網の国際連系推進に向けた調査や企画立案に関する覚書を締結したと発表したのだ。4社は今後、北東アジアの電力網の国際連系に関する調査・事業性評価を行う。国際連系の実現に向けた各国政府への支援要請や、事業体制の企画検討も進めるとのこと。ソフトバンク孫社長東日本大震災後、再生可能エネルギー推進に向けて自然エネルギー財団を立ち上げ、自ら会長に就任。同財団を通じて北東アジア全域で電力を融通する「アジアスーパーグリッド構想」を提唱してきた。これを具体化させたのが今回の動きだと言える。ただ、北東アジアは地政学的に相互対立が見られる地域だけに、安全保障との絡みもある。それを承知で前に進もうとする孫社長の行動力は見事なものだと思う。拙著「スマートグリッド」(秀和システム)の中で自分も同様な構想を書いたが、いよいよと思ってわくわくし始めている。