効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

地熱発電促進

日本の地熱発電潜在規模は、米国、インドネシアについて3番目だが、ほとんど開発されていない。地熱利用ができるところは、火山の近くにある高温水の噴出があるところだが、日本ではその殆どが温泉街として利用され、風呂以外には利用が進んでいなかった。温泉街と関係のないところで、細々と開発されてきたのだが、最近、地熱発電が安定した出力を維持できることの価値が見直され、開発を促進する方向に向かっている。とはいえ、開発に必要な調査や掘削に関わる規制が依然として多く、開発が不可能であったり、コストがかかりすぎるものが殆どだった。だが、このほど、環境省地熱発電に対する国立・国定公園内の規制を緩和することになった。総発電電力量に占める地熱発電のシェアを、現在の約0.3%から2030年度に約3倍の1%程度に引き上げる資源エネルギー庁の方針に対応した措置で、同省が2015年10月2日付で通知した。これによると、国立・国定公園内の5種類の地種区分のうち、開発に対する規制が2番目に厳しい第1種特別地域で、地熱開発のための地下部の掘削を認めた。ただし、地表の開発は引き続き認めていないので、区域外から傾斜掘削で地下部に到達させる必要がある。技術的にも斜めに掘削するのは難度が高くなるが、それを認めたことが技術開発を推進することになると期待したい。今回の第1種特別地域よりも規制が緩い第2種と第3種の特別地域は、環境省が3年前の12年3月に出した通知で既に地下部の掘削が可能で、両地域では地熱発電のための地表の開発も、自然環境の保全などの条件を満たせば認めている。ただ、掘削にもコストと工事期間の長さの問題はつきまとうから、固定価格買取に加えて何かの推進策が必要なのかも知れない。