効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■クローズドループ地熱利用技術

日本の地熱埋蔵量は、アメリカ、インドネシアに次いで多いのだが、その熱が殆ど利用されていない。一つの原因は、地下の浅いところに高温水があることがはっきりしている温泉地帯に地熱発電設備を設置しようとするからだ。結局は、温泉の高温原水を使って小規模な発電をする方式だけが、数だけは多いのだが、発電規模は小さくならざるを得ない。

これを打破する可能性が出てきた。

カナダのEavor Technologies社は「クローズドループ地熱利用技術」の研究・開発を行い、商業化を目指す2017年創業のスタートアップ企業だ。この技術は地下にループを形成し、地上から水などを循環させることで地下の熱を回収する技術。Eavor社は地上と地下約数千メートルをつなぐ網目状のループを掘削し、その中で水を循環させることで水を介して地下の熱を取り出す方式を採用している。地下の熱水や蒸気が十分に得られない地域でも効率的に熱を取り出すことが可能であることから、幅広いエリアでの開発が可能であり、掘削後に地下の熱水や蒸気の不足により開発が中止となるリスクを回避できるメリットがあるという。

中部電力がこの10月、同社の100%子会社Chubu Electric Power Company Netherlandsを通じて、Eavor Technologiesと同社の株式引受契約を締結したと発表した。今後、近日中にEavor社の株式を取得することになっている。この技術を活用した発電は、ベースロード運転だけではなく、低需要時に地下に蓄熱し、高需要時に蓄熱したエネルギーを電力に変換する負荷追従型の調整力電源としての機能も備えると報じられているが、地下に蓄熱ではなく、熱の汲み上げを抑制する、といった方が正しいだろう。

日本の場合、どこでも数千メートル掘れば、必ず高温の地層があるといえる。熱の溜まりを探索する必要度が大きく下がるし、それだけ掘削コストも抑制できる。中部電力ではEavor社への出資を通じて、地熱事業に関する知見の獲得やEavor社が海外で取り組むプロジェクトへの出資参画機会の拡大を模索し、さらには、クローズドループ地熱利用技術の国内展開も検討する方針だとのこと。

日本では太陽光・風力発電の潜在開発量が小さいだけに、地熱の利用がこの方式で進展するとすれば、発電規模は先の2つを上回るかも知れない。ただ、人口密度が高い日本では、掘削場所周辺の住民への丁寧な説明が欠かせないだろう。

新しい地熱発電システム



 

 

 

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