効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

風力発電のブレード(羽根)

 三重県津市で2千キロワットの風力発電設備を40基設置し、完成すると総出力8万キロワットと国内最大の風力発電所となる計画の「新青山高原風力発電所」。中部電力グループのシーテックが出資する青山高原ウインドファームが建設を進めているが、26日深夜、津市内で1期工事分(18基、2016年3月運開予定)に使われるブレードの陸上輸送が始まった。このブレードは長さが39メートルある。これまで幾つかの風力発電プロジェクトのことを聞いてきたし、最大の難関は部材の輸送だと言うことも理屈としては分かっていたが、実際の長さも明示した記事を読んだのは初めて。発電設備は日立製作所製。ブレード、ナセル、タワーのいずれも大型だが、中でも全長39メートルのブレードの輸送は最大の難関となるという。巨大トレーラーで一般交通量の少ない深夜に輸送するが、ルート選定をはじめ、カーブでのトレーラーと荷物の描く軌跡を綿密に計算している。中継地点までは約30キロメートルの道のり。約3カ月間で計54枚のブレードが輸送されるようだ。土地の広い米国でもブレードの輸送には難しさがあると聞いていたが、道路も狭いし坂も多い土地柄の場所では、下手をするとブレードで道沿いの建物に損傷を与える可能性もある。これから考えると、余程の僻地でないと陸上設置の風力発電の適地は見つからないかも知れない。その意味では、洋上風力の方が輸送はしやすいかもしれない。設備を港の近くで製造できれば、船で運ぶ方が陸上よりも制約は少ないだろうと思えるからだ。日本の風力発電建設にはこのような制約も強く働くということを改めて勉強させて貰った。