洋上風力発電に使われる設備の規模は年々大きくなっている。豊富な風を十分に利用するためと、キロワット当たりの設備コストを引き下げるためである。いまや7〜8千キロワットというものまで商品化されている。このほど、三菱重工業とベスタスの合弁会社であるMHIベスタス・オフショア・ウインドは、スウェーデンの電力事業会社バッテンフォールから、8千キロワット級の洋上風力発電設備49基を受注したと発表した。バッテンフォールがデンマークで計画する「ホーンズリーフ3洋上風力発電プロジェクト」(出力40万6千キロワット)向けの設備となる。世界最大出力の洋上風力発電設備「V164―8.0MW」を49基納める。受注した設備を納める洋上風力発電プロジェクトは、デンマークの西海岸から約34キロメートルの北海洋上で進められているものだ。この8千キロワットという大型設備は、これまでに累計77基受注しており、今回のバッテンフォールのプロジェクトを加えると100基を突破する。ベスタスはデンマークの風力発電設備メーカーで、世界第2位の売り上げを見せているが、一時業績が悪くなっていたのが最近急速に回復している。三菱重工はここと組むことによって、風力発電の世界企業に仲間入りしたと言えるだろう。ただ、今回のプロジェクトのような大規模な不安定電源がどこまで欧州の系統に問題なく受け入れられるかは今後の課題の一つだろう。