風力発電設備メーカーであるデンマークのベスタスは、一時業績が悪化していた。それが急回復しているようだ。9日発表した2015年12月期決算は、純利益が前の期比75%増の6億8500万ユーロ(約890億円)だった。米州での販売が好調で期中に納入した設備容量は748万6千キロワットと2割拡大。固定費の伸びを抑えながら、利益率の高いサービス収入も2割増やしている。売上高は22%増の84億2300万ユーロ。自国通貨安もプラスになった。三菱重工業との洋上風力発電設備の合弁会社は120万キロワットの受注を確定し、独シーメンスが強かった洋上風力の市場にも食い込み始めている。16年12月期は90億ユーロ以上の売上高を見込む。15年の受注は894万3千キロワットと、これまでの最高だった10年実績を上回っており、増収増益基調は続く見通しだと報じられている。ベスタス製の風力発電設備は日本でも多数設置されている。このメンテナンスにも、メーカーの業績回復は良いニュースだろう。日本では地域の反対や系統制約の問題で陸上風力の普及をあまり望めないため、これから洋上風力に力点が置かれるが、三菱重工との連携も大きな意味が出てくるだろう。