効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

原発の発電コスト

経済産業省は2030年時点の望ましい電源構成を決める前提になる原子力の発電コストについて、1キロワット時あたり「8.9円以上」としていた従来の試算を1円前後引き上げる方向だと報じられている。安全対策にかかる費用などで1割程度増えることになる。ただ火力と再生可能エネルギーのコスト試算も上がり、原子力がコスト面で相対的な優位性を維持する見通しだというが、これで分かるのは原発の発電コストの内容には恣意的に定められるコストがいろいろあるということだ。まずいわゆる電源三法電源開発促進税法、電源開発促進対策特別会計法、発電用施設周辺地域整備法)で、原発設置地域に税金が投入されているが、これは発電原価には算入されていないだろう。国のコストであって各電力会社の会計とは別勘定になっている。これだけでも大きなコスト増になるが、それにまだコストが具体的に計算されていない使用済み核燃料や放射能廃棄物の処理コストは、実際に計算すると膨大なものになるだろう。だが、原発の稼動を何とか維持したい政府としては、できるだけ安い原価になるようにし、避けられないものだけをコストアップ要因として算入したと言える。実際にはLNG火力発電のコストより高くなるのだろうが、そうならないように調整してコスト計算をしていると考えられる。再生可能エネルギーからの発電コストは、系統連系させるのに本来なら電力会社が負担すべき設備調整コストも再エネ事業者側に負担させて、高くなるようなコスト要因を付け加えている。原子力発電コストは高いが、何か国益保持のために必要だというような説明をしなければならない時代が間もなく来るような気がする。
これとは無関係だが、三男夫妻とその娘、ワイフと一緒に入った神社の桜は見事だった。池にも一面に桜の花びら。