米国の資料を見ていると、フォークリフト燃料電池車が実用的に使われている。だが、日本ではその例がないのでなぜかなと思っていた。ところが、新関西国際空港会社がこの10日、燃料電池搭載フォークリフトと専用水素スタンドを報道陣に公開した。岩谷産業や豊田自動織機などと共同で進める「水素グリッドプロジェクト」の一環で、関西国際空港で23日から実証運用を始める。新関空会社の安藤圭一社長は「名実ともに世界最高レベルの環境先進空港になる」と述べた。2016年度の本格導入を目指すということだ。空港での設置は国内初で、敷地内に大容量の液体水素タンクを建設、パイプラインを通じて一般車とフォークリフト双方のスタンドに水素を供給する。水素の供給に心配がなければ、空港には何台も必要なフォークリフトを駆動できる。2020年までに関空で運用するフォークリフトの半数に当たる200台を燃料電池車に置き換えるということだ。このような形で商品化されれば、大型の配送基地などでも実用化できそうだ。問題はこの水素のコストだろう。現在のものと比較してトータルで少なくとも同レベルのコストでないと普及しないだろう。炭酸ガスを排出しないという価値を何かの形で上乗せする必要があるかもしれない。