効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

再生可能エネルギーの出力抑制

主として太陽光発電の系統接続申請が急増した地域の電力会社が、受付を一時保留した異常状態は解消されたが、出力抑制の日数制限がなくなるという、太陽光発電の事業者にとっては事業収益性を見通せない条件がつけられた。この日数制限が30日までとなっていた頃から、電力会社の要請があれば、1日発電を止めなくてはならないのは不合理だと思っていたが、出力抑制を現行の日数管理から時間単位のきめ細かな管理に移行することが他の方策と併せて示され、時間単位の管理に必要な発電設備の遠隔抑制システムを導入することが事業者に義務付けられた。今回の見直しで系統接続については多少改善されそうだが、事業者にとっては設備コストが大きくなる可能性が高い。ピーク時間帯だけ出力抑制すれば良いのだが、それに対する電力会社、あるいは系統管理事業者からの指令をリアルタイムで受信し、出力を抑制するには、それなりの通信と制御システムが設置されなければならない。既に制御機能が実装されているPCS(パワーコンディショナー)もあるが、実証では実装済みの装置をベースに、通信データの仕様などを検証。抑制手法の確立に結び付けたい考えだいう。エネ庁によると、500キロワット以上の事業用太陽光発電の場合、遠隔抑制に必要な製品の開発期間は10カ月から1年半。費用は数千万円程度かかるという。規格の標準化の検討も必要で、遠隔抑制の仕組みの浸透はやや先の話になりそうだ。これはメガソーラーのような大規模なものだけに適用すべきものだろう。