これまで「神戸ルミナリエ」は、東日本大震災以降の節電に配慮して、一部作品を発光ダイオード(LED)に切り替えて開催してきた。しかし、20回目の今回は再びすべての作品を従来通り、白熱電球で制作し、1995年、阪神・淡路の被災者や遺族らを温かく照らした第1回の光に近づけている。これは神戸新聞が報じていることだ。日本全体が節電、節電といってきたが、本来は昼のピークの時に節電すれば良いはずだった。しかし、一般的な理解としては時間を問わず電力消費を抑えようとしたために、不必要な時間帯の節電をしていた。ルミナリエは夜の行事だから、もし色彩的に重要なことなら継続して白熱電球を使用しても良かったはずだ。一方、いま原発が停まっているために、発電所は化石燃料を使っている。その使用を抑制するには、時間帯を問わず節電する意味は今の時点の方が大きいはずだ。しかし、雰囲気重視で白熱電球を使用するのを非難するつもりはない。それなりに有効な使い方ができるのなら、効率を犠牲にすることも許されるだろう。白熱電球は、ルミナリエの本場・イタリアから1カ月半ほどかけてコンテナ船で運搬し、現地の職人も来日して約20万個の電球でソロピースなどを組み上げたらしい。日本ではもう白熱電球は手に入らないのだろう。