効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

水素の値段

燃料電池自動車が実用的になるためには、自動車本体の価格、水素充填ステーションの普及、そして、水素のコストが課題となる。先の二つについてはこれまでいろいろな具体的情報が流れていたが、今日のニュースに、岩谷産業が、商用水素ステーションで販売する水素の価格を1キログラム当たり1100円に決めたと発表したという。一般的な燃料電池自動車(FCV)の燃料タンクの容量は5キログラム程度とされていて、ハイブリッド車の走行に必要なガソリン価格と同等の水準に設定したとされている。経済産業省は、水素ステーションで販売する水素価格について、15年にガソリン車の燃料価格と同等以下、20年にハイブリッド車の燃料価格と同等以下とすることを目標にしている。ところが、岩谷産業が設定した今回の価格は、この目標を5年前倒しし、水素の販売開始から実現できることになるという。海外で水素価格が既に設定されているかどうかは分からないが、今回日本で具体的に示された数字は素晴らしいものだと思う。水素の製造に必要なエネルギーや素材次第では、この価格も変動する可能性は有るだろう。一方、燃料電池自動車が送配電系統の安定性を高める価値も、やり方によっては大きくなるから、まず燃料価格を決めて普及の後押しをするのは企業努力として大きく評価すべきことだろう。