効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

水素ステーションの採算性

これまでにも燃料電池自動車に水素を充填する水素ステーションの普及は難しいのではないかと書いたことがあるが、充填所の採算性を出すのは極めて難しいという報道が幾つか出されている。燃料電池自動車そのものは、政府の補助金などを使えば、一台4〜500万円で購入できるそうだが、近くに水素ステーションがなければ、いくら航続距離が長いといっても購入をためらう人が多いだろう。また、ある報道では、水素ステーション一つについて、その利用をする車が700台ほどないと採算がとれないらしい。ステーション一つに建設費が5億円かかるというから、電力会社のように利益上乗せ方式で価格を決めたら、一回の充填で少なくとも10万円は取らないと投資には見合うまいという論もある。無論さまざまな補助金などで補填はされているが、それでも現状、水素ステーションは大出血のサービス営業を続けているのだ。水素ステーションには3つの方式があって、ステーションの場所で水素を作り、高圧で充填できるようにするという、オンサイト型、常設ステーションへ別の場所で作った高圧水素なり液体水素を運んできて保存する方式、そして、コンテナーに水素製造貯蔵装置を積んで、必要なところへ移動させるコンテナー型だ。コンテナー型が比較的実用的だという論もある。しかし、安全規制をクリアーするのには難点も多いように思える。岩谷産業は2014年11月14日、燃料電池車(FCV)向けの水素の価格を走行距離1キロメートル当たり10円、にすると発表しているが、1キログラム当たり1100円に相当する。水素1キログラムでFCVは110キロメートル程度走行できる見通しだとしていたが、それが採算ベースになるのはかなり先になりそうだ。