どうも鉛蓄電池の評価が、リチウムイオン電池などに比べて低いのに不満であった。使用目的によってはコストもかからないし,リサイクルもきちんとできるのだが、これまで自動車に使われてきた鉛蓄電池の寿命が3年そこそこと短いとされていたし、瞬間的な充放電に対応しにくいとされてきたこともあって、一般的な利用目的にはあまり表面に出ていなかった。だが、報道によると、日立化成は、再生可能エネルギー用蓄電システム向けの鉛電池として、最大放電電流を同社従来品の1.5倍に高めた新製品の販売を開始したという。出力は千キロワットで30分放電するシステムを構築した場合、従来比で蓄電池価格や設置スペース、質量をそれぞれ3割程度抑えることができるらしい。新製品は、導電部の改良により、従来品の期待寿命17年を維持しながら、最大放電電流を従来比1.5倍の900Aに高めたことによって、少ない電池数で高い放電電流を得ることができるため、電池数を増やして高い放電電流を得る方法に比べて、導入コストを抑えることができる。世界的に太陽光発電や風力発電を系統へ接続する時の出力変動を抑制するための大型蓄電池のニーズは高まっている。今回発表された商品であれば、住宅やビルなどにも設置しやすくなるはずだ。高いリチウムイオン電池しか有効ではないというような一般風潮を打破してほしい。
最近ここで蓄電池のことを書くのが増えたなという感じはする。