効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

廃炉

今日の報道を見て、原発の将来動向を眺めるのに一つの転機となる日となったと感じた。政府が関電に対し、美浜原発1、2号機について廃炉か再稼働かの判断を前倒しするよう求め、関電がその検討を始めたということだ。日本には、1980年以前に運転を始めた老朽原発12基があり、美浜1,2号機も含めて整理計画の対象となりそうだ。80年以前に運転を始めた老朽原発電源ケーブルに燃えやすい材質を使っているという。昨年7月施行の新規制基準は火災対策として燃えにくいケーブルの設置を義務づけており、ケーブルの交換だけで1000億円超の追加投資が必要な原発もあるとみられる。新規制基準は原発の運転年数を原則として40年に制限した。運転を延長するには来年7月までに原子力規制委員会に申請しなければならない仕組みだった。経産省は年内に廃炉計画の提出を求めることで、前倒しの決断を促す。廃炉コストは定かでない部分も多い。撤去にはおそらく10年以上かかるだろう。電力会社は廃炉に備えて500億円前後の費用を積み立てることになっている。実際の廃炉には費用がもっとかかるとの見方もあるというが、それを遙かに超える額になるのではないか。これで原発のライフサイクル全体を見ると、これまで言われてきた原発からの電力は安いという主張の影がまったく薄くなるに違いない。これは原発新設計画にも影響すると思う。