効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

熱利用

エネルギー利用を効率化するにあたって難しいのがとらえどころのない熱の有効利用だと思う。特に廃熱の利用が難しい。温度に高低があって、それに沿って有効な利用方法を工夫しなくてはならない。熱は媒体に吸収させてパイプで輸送するのがもっともやりやすいが、輸送距離に制約がある。また、媒体そのものを車などで輸送する方式もあるが、媒体が処理できる温度範囲によって使い勝手やコストが大きく異なる。
三菱ケミカルホールディングス傘下の三菱樹脂は、ゴミ焼却場や工場の廃熱をトラックで病院などに運んで給湯に使う熱輸送ビジネスに乗り出すという記事を見た。除湿機などに使われている自社の水蒸気吸着材を、熱をためる材料として活用するということで、2014年度にも実証実験に入り、事業化をめざすという。まず廃熱で吸着材を乾燥させ、密閉容器に入れて目的地に運ぶ。到着後、吸着材に水蒸気を吸わせると吸着材の中で水蒸気が水に変わるが、この際に発生する熱を利用して熱くなった吸着材にパイプで冷水を流して温水をつくるというシステムだそうだ。蓄熱材による廃熱輸送は試行されているものもあるが、これに比べて吸着材はより多くの熱をためることができ、輸送効率を約4倍に高められるという。この記事がいうように、吸着材に水蒸気を吸わせるとすれば、運んだ先に水蒸気がなくてはならない。その発生装置もこのシステムの一部として組み込まれているのだろうか。水蒸気発生にはエネルギーが必要になるが、それも含めての総合効率はどのようになるのだろうか。