効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

配電系統の逆潮流

電気事業が始まって以来これまで、電気は発電所から需要端へ向けて一方向で流れることになっていた。配電の制御もこれを前提にして行われ、制御機器ももし配電系統で電気が逆に流れるという、いわゆる逆潮流が起きると、それを阻止するように作動してきた。
ところが、屋根に設置される太陽光発電のような分散型電源が増えると、その出力が重なって配電線を電気が変電所に向かって流れるケースが出てきた。この場合、接続をさせないか、蓄電池に余剰分を一時貯めておいて、逆流の心配がなくなってから放電させるという方式をとらざるを得なかった。「電気設備の技術基準」「電力品質確保にかかわる系統連系ガイドライン」でこのような逆潮流は禁じられていたのだ。しかし、この5月31日に技術基準の解釈などの規制が改正され、配電用変電所単位での電圧管理対策や事故時復旧対策を講じれば、逆潮流も認められることになった。これは分散型電源の普及の観点から見て大きな変更だと思う。配電線レベルでの逆潮流を認める場合、それに繋がる変電所単位で対応策を講じなければならない。これにはコストがかかるため、その負担割合も検討されているようだ。分散型電源の設置者の負担が大きくなる可能性はあるが、逆潮流が認められたことの意義は大きい。古くからある市街地にある住宅に太陽光発電を沢山設置することもやりやすくなるし、家庭用燃料電池コージェネエネファーム)や業務用規模のコージェネからの電気を系統に流すこともできるようになると予想している。