効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

石炭火力へのシフト

政府は石炭火力発電の新増設の推進に方向を切り替える。原発の再稼働が大幅に遅れ、その時期も見透しにくいため、天然ガス火力の増強が進んできたが、そのために日本向けのLNG価格が高いこともあって国際収支を悪化させている。この状況が長く続けば電気料金の高騰を招くのは必然であることから、安い石炭を利用して国民負担を抑えようとする動きだ。石炭火力の新増設には環境アセスメントの条件をクリアーしなければならないが、その手法を見直して新増設をし易くするというから環境アセスメントも見くびられたものだ。当初反対していた環境省も同意したようだ。1キロワット時の燃料単価は石油の16円、液化天然ガス(LNG)の10円と比べて石炭は4円と安い。
石炭火力が増えれば、二酸化炭素の排出量が同じ発電量あたりで見て大きく増える。だから、これから追加で必要となる電力をできるだけ抑制することが喫緊の課題だろう。エネルギー消費の効率化しかない。その上で、石炭火力の発電効率を可能な限り上げて、発電量あたりの二酸化炭素排出量を抑制する政策をとるステップを踏む必要がある。石炭ガス化によるコンバインドサイクル発電が技術的、コスト的に難しくないレベルにまで開発されているかどうかが分からないが、古い石炭火力を更新して発電効率をあげようとする必要もあるだろう。緊急避難的対応だが、現時点では仕方がないのかもしれない。