効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

熱発電チューブ

将来再生可能エネルギーとして実用化される可能性もある出力が大きい熱発電素子をパナソニックが開発した。熱発電素子そのものは昔から知られていたが、その発電できる能力が小さいために規模の大きな発電には無理だった。だが、同社が開発したものは、96℃の温水排熱から体積当たり820W/m3の発電性能を確認したという熱発電チューブだ。ミリワットではなくてワットであるから、高温廃熱があるところに設置すれば、家庭用燃料電池エネファームほどの出力が得られる。熱発電チューブは、ビスマステルル(Bi-Te)系の熱電変換材料と金属を、熱の流れに対して傾斜するように交互に積層したパイプ状の熱電変換素子。パイプの内部に温水を流し、外側を冷却水で冷やすことにより素子内部に周期的な温度分布が生じ、熱の流れと垂直な方向(パイプの軸方向)に電流が流れるということだ。設置面積に換算すると太陽光発電の約4倍に匹敵する発電性能だという。検証試験は、新エネルギー・産業技術総合開発機構NEDO)のプロジェクトとして、京都市左京区のごみ処理施設「東北部クリーンセンター」で実施されているもので、同センター内の温水配管と冷却水配管の一部を、熱発電チューブを10本内蔵した熱発電ユニット3組に置き換えて余剰排熱を利用して発電した。具体的には、96℃の温排水と5℃の冷却水を利用して温度差91℃で最大246Wの発電を実現している。出力は安定しているはずだから使いやすいかもしれない。