今日は午前の遅めに家を出て宝塚に向かった。14時から開催される阪神シニアカレッジ同窓会の例会で質疑を含めて1時間半の講演をするためだ。題目は「電力供給危機を考える」で、当初講演を依頼されたときにはこのテーマは過去のものになるかもしれないとも考えていた。しかし、いまや大飯原発の原子炉の下に活断層があるかどうかが問題となるなど、電力危機の状況は改善どころか,いつまで続くか分からないという不安定なままに残っている。スマートグリッドも当然この課題の解消には入ってくるのだが、日本の場合数年以上の時間を要するだろうと説明した。出席者は200人を超えていたようだ。
各地でシニアがこのような形で集まって勉強するのが拡大している様子。事務局としてやはり企業を離れたシニアでボランティア役員として担当している方から聞くところによると、関西では兵庫県がもっとも盛んなのだという。仕事から離れて時間の余裕ができた人達は、一人では絵画、俳句、彫刻などの個人ベースの趣味に時間を使っている人が多いが、知的好奇心を持つ人達がグループで今日のような勉強会を開いているようだ。来年の1月にもシニアの別グループから依頼されている。もし昨年の東北大震災より前に今日のテーマで話したとすれば、これほどの参加者はなかったかもしれない。何人かの方はこちらの説明に頷いてくださるなど、勇気づけられた感じがある。電力危機脱出と地球温暖化抑制には、案外このようなシニアに社会的力があるのかもしれないとも感じたのだった。