効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

米国と中国が地球環境を守る方向に

日本はいま,全原発が稼動していないために化石燃料を使う発電所の稼動で電力供給を行っている。再生可能エネルギーの比率はまだ小さい。ところが、これまで二酸化炭素排出抑制に消極的であった米国と中国が、地球環境保護の方向に政策を大きく転換しつつある。市民一般が気候の大きな変化を地球温暖化のためだと感じるようになったからだ。米国の場合には、強大なハリケーンや大規模な干ばつ、中国の場合は大都市での大気汚染という形で、何らかの対応を政策的に行わなければ民意を失うという政府中枢の危機意識からだろう。再生可能エネルギーの導入量を見ると、米国と中国は世界のトップグループであるのに比べて、日本ははるか下で後塵を拝している。日本では電力供給の安定性を維持するために、予想しにくい変動をする風力発電太陽光発電の導入に消極的であった。これまで余りに精緻な系統制御をしてきたのが裏目に出たとも言える。また、電力会社単位で系統の制御をするのが正当化されてきたために、日本全体で変動を吸収できるような送電網になっていなかった。最近九州電力太陽光発電風力発電の導入を一時的とは言えストップせざるを得なかったのも、このためだ。政府と電力会社は、原発が再稼働すれば二酸化炭素排出を抑制できると考えているのかもしれないが、そう簡単に再稼働は進まないだろうし、ウラン燃料も国産ではないことにも気付かなければなるまい。電力網の広域管理組織ができて、電力の融通がやりやすくなるとしても、送電系統自体の増強をしなければ対応は難しい側面もあり、そのコストを誰が負担するかもこれからの課題だ。下手をすると、EUだけでなく米中からも、日本は地球環境保護に熱心ではないと言われるようになるかもしれない。