効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

EV向け超電導モーター

住友電気工業は電気自動車(EV)向け超電導モーターの開発に着手したと報じられている。セ氏マイナス約200度で電気抵抗がゼロになる特殊な超電導線でコイルを仕上げ、ガソリン車の燃費に相当する消費電力を2〜3割減らす。まずは来年春までにバス用の試作品をつくり自動車メーカーへ提案。2020年をメドに量産する。
超電導コイルで電気モーターを作ることができれば、EVの消費電力が大きく落ちることは確かだ。ただこの記事で述べられている低温が、窒素の液化温度であるセ氏マイナス196度よりも低いので、液体窒素を使うとしても、それを長期的に液状に保つためには常に冷却装置を稼働させておかなければならない筈だから、長期に駐車する時など、あるいは走行中にも冷却を効率的に行う技術が開発されていなければこの商品化は難しいように思える。その目途も立ったのだろうが、安全基準なども新たに設定しなくてはならないから、目標の2020年までに大量生産する体制を作るのは大変だろうと想像している。
銅線を使った現在のEV向けモーターは電気抵抗の発生が避けられず、電力ロスがかさみ、ガソリンエンジンなどに比べて低速域でのトルクも見劣りするため、バスやトラックなど大型車両への搭載が遅れていると説明されているから、冷却装置を導入しやすい大型車両に導入する計画のようだ。しかし、世界に先駆けた技術の開発には驚かされる。