効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

新しい節電料金

関西電力は今夏の電力不足対策として、家庭向けに新しい料金制度を導入すると大阪市との会合で明らかにした。電力需給が逼迫する昼間の使用分を従来より高く、余裕のある夜間を安くする。ピーク時の電力使用を抑えて需給の改善につなげる。また一定以上の節電を達成した家庭には商品券などを提供する仕組みも導入する。新制度は全世帯が対象で、各家庭は新制度と従来の料金体系のどちらかを自由に選べる。これが言うほど簡単なことではないことは、もし新制度を選ぶ世帯が多くなると、そこへ電気メーターを2つ設置しなければならないはずだからだ。ヒートポンプ給湯器のエコキュート(実際には電熱給湯器という実に非効率なものも対象)に向けた深夜料金制度やオール電化ハウスの場合はそうなっている。時間帯別に料金計算をしなくてはならないからだ。設置が迅速にできなければ、折角新しい料金を採用しようとしている世帯もしびれを切らしてしまうだろう。また、まだ料金単価が発表されていないが、設定の仕方によっては、月単位の電気代が高くなるケースも出るはずだ。特に、節電に協力しようとする高齢者世帯や重度障害者が居る世帯の場合、ピーク需要時に電気を使わないということを事実上徹底できないこともあるはずだからだ。希望する世帯には、スマートメーターを設置する計画かもしれないが、これの標準仕様がまだ決まっていない。だから、いずれにしろこの夏の対応としては無理だと考えられる。また、いまオール電化ハウスになっている世帯の場合、すでに昼のピーク時には料金が高くなっているが、これとの比較も当然されるだろう。新料金は関電が勝手には適用できない。少なくとも政府に具体的な数字で申請しなくてはならないから、それからメーターの取り替えを考えるとすれば、来年の実施になりかねない。政府もどう対応するのだろうか。