効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

太陽光発電に屋根貸し

今日の日経夕刊一面に、埼玉県が太陽光発電事業者向けに一般住宅の屋根を仲介する制度をつくると報じられている。県内市町村と協力して太陽光パネルを設置できる住宅を登録し、まとめて企業に貸し出す仕組み。住宅オーナーは屋根貸料を貰え、設置企業は電力販売収入を得る。このところここで太陽光発電のことばかり書いているが、固定価格買取制度についての疑問が再度出てきた。家庭用に設置される太陽光発電は、全量買取ではなく余剰分だけを買い取ることになっていて、これは新制度になっても変わらない。埼玉県が対象とするのは住宅だが、企業に屋根を貸せば家庭用ではなくなるのかしら。また、屋根を借りる企業から見ると、10キロワット以上のシステムであれば20年間同じ価格で買い取りになることから大きな規模のものを望むだろう。だが、住宅の屋根で10キロワットを設置できるところは極めて少ないはず。この場合、隣同士二軒分を合わせて10キロワットと見ることが許されるだろうか。メーターは一つで計量するから、二軒の屋根のパネルを一体配線にしなければならないが、規制にかかって許されないのではないか。この報道から見ると、ある地域で固まって企業に屋根を貸すケースがでる可能性は高い。一昨日いただいたコメントにあるように、小さな地域で固まって太陽光発電が設置されると、晴天の時などに配電線電圧が上がって柱上トランスレベルの制御装置が働いてブレーカーが入る、すなわち、その系統が停電することになりかねない。買取を制限するのか、その地域の供給を担当している変電所で調整できるようにできるだろうか。おそらく配電レベルでも制御器を入れ替えて、逆潮流を許すようにしなければ、トラブルが拡大する恐れは十分ある。屋根貸しが事業として成り立つだろうとは思っていたが、県レベルで仲介がなされるとは予想外だった。県の事業であれば、電力会社も配慮せざるを得ない。もう一つ、屋根を貸す人が、パネルは国産のものにしてほしいと希望できるだろうか。国産のパネルの価格は高いから、屋根を借りる企業の儲けは減る。損にはならないだろうから受け入れるかもしれないが、それだけ普及のスピードは落ちる。しかし、埼玉県の動きの速さには驚かされた。