効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

東北地方で進む再生可能エネルギーの導入

福島県は2017年度の県内エネルギー需要に対する再生可能エネルギーの導入実績が30.3%相当量だと公表している。東日本大震災東京電力福島第1原子力発電所事故を受け、県は18年度で30%を導入目標としていたが、1年前倒しで達成した。だが、台風21号の被害を受けて、太陽光発電の設置された斜面が地滑りを起こしているケースが幾つか報じられているのを見ると、これからの太陽光発電は屋根設置が主流に変わるような気がする。屋根の一部が強風で飛ぶされるのは仕方のないことだと受け止められるだろうが、日本全体が火山灰で覆われている日本列島では、南向きの斜面に設置するパネル工事がその斜面を滑りやすくするのは確かだろう。多分各自治体でパネル設置への規制が強くなる方向に行き、工事期間も長くなり、設置コストが大きく増えるのではないだろうか。それに比べると、できるだけ屋根を利用するようにすると、一見設置の増加は小さくなるようだが、長期的に見れば着実な増加に結びつくだろう。今後再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)が見直され、安価な電力を調達する「入札」の対象を2千キロワット以上のメガソーラーから、19年度にも50キロワット以上に広げる案を検討するということだから、事業として成立するものも少なくならざるを得ない。新築物件には規模は問わず太陽光発電パネルを取り付けるようにでも義務づければ、既築の物にも拡がっていくだろうし、安定した拡大になると思う。メガソーラーに適した土地も少なくなっているのだから、何か工夫が必要な段階に入っているのかも知れない。他の再生可能エネルギーとしては、洋上風力発電に期待している。この分野ではまだ促進策が準備されていないが、賦存量としては多いのだから、特に東北、北海道の沿岸部に期待したい。そのためには送電線の拡充が必要だが、エネルギー安全保障向上に向けた投資として考えられないだろうか。