効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

住友電工の蓄電池

住友電工のプレス発表を見て「あれっ」と思った。次世代型の太陽光発電と蓄電池を組み合わせた大規模な蓄発電システムを実用化するというもの。太陽光発電にレンズを使って変換効率を上げるというのはなるほどと思った程度だったが、蓄電池がどうも一度は開発が中止されたレドックスフロー電池らしいからだった。横浜製作所に設置されるシステムは集光型の太陽光発電(CPV)が200キロワット、蓄電池容量は1 MWで5時間の放電が出来るもの。最初新聞記事で見てはっきりしなかったので同社のプレスレリースにアクセスした。やはりレドックスフロー電池だった。 レドックスフロー電池は、バナジウム等のイオンの酸化還元反応を利用して充放電を行う蓄電池であり、充放電を行う入出力部と金属イオン電解液を蓄えるタンクから構成されている。バナジウムの価格高騰と、一種の燃料電池のようなイオン分離膜の耐久性に問題があって、一時ホームページからも削除されていたものだ。これが今の蓄電池市場の拡大を見て、再登場したのだろう。完全に開発が消えていなくて良かったと思う。電解液を蓄えるタンクが大きくなるので問題がないわけではないだろうが、リチウムイオン電池よりも安全性は高いし寿命も永く、NAS電池のような高温作動ではないから、コストさえそこそこ見合うものであれば市場への参入は可能だろう。レドックスフロー電池のメーカーは日本には住友電工だけで、海外には1〜2社あったのだが、いま海外での商品開発がどうなっているかはよく知らない、調べてみる必要がある。もともと関電と協力して開発していたものだが、本格的な商品化を期待したい。