効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

家庭用燃料電池が新しい市場に対応

規模を問わず、企業は可能性の高まっている計画停電、あるいは計画外停電に対応するために、自家発電設備を設置する計画を具体化させている。トヨタ自動車が、愛知県内の複数の自動車工場にコージェネレーション(熱電併給)システム8基を新規に設置し、トヨタ単体の自家発電比率を現在の2割から最大3割まで引き上げようとしているのはその一部に過ぎないはず。この場合、電力会社からの電力供給が止まった場合にも稼動を続けることができるようにするのが大半だろう。たとえ停電時間が短くても、操業を元に戻すのに何時間もかかったり、製品がおシャカになる企業は多いからだ。これまでこのような自家発を持つのにはいろいろな制約があったのだが、やりやすくなっていることは確かだ。
同じようなニーズはその度合は小さいかもしれないが家庭にもある。家庭用燃料電池エネファーム」が、停電すると一蓮托生で停止せざるを得ない設計になっていたのに不満なユーザーが増えたのに対応する具体例を聞いた。昨日、燃料電池に関するシンポジウムに参加して、東芝が間もなく発売するエネファームが、突然停電しても発電を続けることができて、それに備えたコンセントから電力の供給をさせる機能を標準で持つようになることを知った。他のメーカーのものでも、外付けで蓄電池を追加することでそのような機能を発揮させることは可能だが、そのコストが大きい。東芝は追加コストを僅かにして自立発電ができるようにしたのだ。ただし、停電しているときにこの燃料電池を止めると、再稼働させることはできない。蓄電池は使っていないので起動電力がないのだ。しかし、停電したときに燃料電池が作動をしていれば、700ワット程度までなら照明などに電力を確保できる。冷蔵庫や空調機のように、起動電力が大きいものは多分使えないが、予め何に使うかを設定しておけば非常時への対応として十分だろう。素早くユーザーニーズに対応したものだと感心した次第。