効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■自動車用蓄電池

電気自動車が登場するまで、自動車用蓄電池といえば、鉛蓄電池だった。この電池の構造は、電解液である希硫酸の中に鉛の電極板が入っており、正極(陽極)には二酸化鉛、負極(陰極)には海綿状の鉛が使われており、希硫酸と鉛の化学反応によって電圧が発生し、電気が蓄えられる。電解液中の硫酸イオンが正極・負極の双方に移動すると放電され、逆に、正極・負極の双方から電解液中に硫酸イオンが移動することで充電される。

自動車用鉛蓄電池は、動力用ではなく、エンジンの始動などの補助的な役割を担っていたから、蓄電容量はそれほど大きなものではなく、その再生も複雑な工程を必要とはしていなかった。だが、電気自動車が登場して、電気モーターを回す電力を長時間供給するために、新しくリチウムイオン電池が登場した。Wikipediaによると、正極と負極の間をリチウムイオンが移動することで充電や放電を行う二次電池(充電可能な電池)で、正極、負極、電解質それぞれの材料は用途やメーカーによって様々であるが、代表的な構成は、正極にリチウム遷移金属複合酸化物、負極に炭素材料、電解質有機溶媒などの非水電解質を用いる。基礎素材であるリチウムは稀少金属で、日本では採取できるところはない。また、リチウムの他にコバルトなども使われており、その回収、再利用が極めて重要なものとなっている。

このリチウムイオン電池の大量再生リサイクルについて、パナソニックエナジーが米国でリサイクル材を使った車載電池を2024年から量産すると発表したと報じられている。リサイクル技術を持つ米国のスタートアップと組み、電池の銅箔などを再利用する。パナソニックエナジーは「コストの面でメリットは小さい」としているが、製造時の二酸化炭素(CO2)排出を抑えられる。30年度に電池の製造で排出するCO2の量を21年度の半分にする計画を示している。コバルトなどEV電池材料はアフリカや南米に偏在し、中国依存度が高い。地政学リスクが高まって材料調達が滞れば、EV生産の足かせになる可能性もある。リサイクルが大量に行われれば、循環利用が可能となる。日本にEVが普及すれば、国産資源の利用といっても良い状況が生まれることも期待される。問題は日本でのEV普及が、他国に比べて周回遅れになる可能性があり、国内でのリサイクルが可能かどうかは分からない。

銅箔は24年から、正極材は25年からリサイクル材をEV電池に使用する。米テスラと共同運営するネバダ州の工場でリサイクル材を使うほか、24年度に稼働予定のカンザス州の新工場にも供給を検討する。銅箔では全量を再生材に切り替え、正極材ではコバルトは全量、ニッケルは30%、リチウムは30%を再生材にすることを目指すということだ。

 

 

家族の一人がやっている猫、鳥、犬などをモデルにした手作りアクセサリーのご紹介。

https://minne.com/@plusme

https://www.creema.jp/listing?q=plus+me+accessory&active=pc_listing-form