効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

原発依存困難に

中部電力浜岡原発の停止要請に応じることになった。菅首相の要請根拠は、この地域の大地震発生確率が非常に高いということだ。しかし、確率は低くても、実際に起きないという保証は全くないのだから、地震列島である日本の原発は全ていつか大地震に遭遇すると言っても嘘にはならない。万年生きる亀が死んだので、その売り主に文句を言ったら、ちょうど万年目にあたっていたのだという返事だったという落語を覚えているが、それと同じことだ。
その問題に付け加えると、1975年以前に稼動を始めた原発で発電力としてカウントされているプラントが日本に7基ある。これには福島原発にあるものは入っていない。このプラントが稼働後40年すると、一つの設計寿命が来たとされるから、その稼動継続には安全審査を通すのに今までより難しさが加わるだろう、というより、事実上無理になることは間違いない。同じことがドイツで起こっているからだ。そうすると、ここ2年ほどで、この原発の出力が出せなくなる。それに代わるものは現時点では化石燃料しか確実なものはない。だが、地球温暖化対応を考えると、また、プラント建設の早さや、発電効率の高さを考慮に入れると、ほとんどが天然ガス火力発電所を建設することで対応せざるを得ないだろう。そうすると、LNGの輸入を増やさなくてはならない。どこから輸入するか。幸いなことに、米国でシェールガスの開発が進んで、同国内の天然ガス価格が大幅に下がっている。そのためにこれまで進展してきた風力発電のコスト競争力がなくなるとまで言われているほどだ。だから、うまく交渉すれば米国からLNGを輸入するのも新しいオプションとなるだろう。ただ、それには日米の政治経済関係が円滑でなければならない。これから数年の日米関係はきわめて多様な局面を迎えることになる。