効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

電気と熱の建物間融通

清水建設が発電と給湯が同時にできるコージェネレーション(熱電併給)設備を核に、複数の建物でエネルギーを有効活用する仕組みを都市開発に導入すると報じられている。東京からこの秋から着手するということで、全体の消費電力量を約3割減らすことができ、電気とガスの購入費は合計で10〜15%低減できる見込み。自前で一定のエネルギーを確保でき、災害に強い街づくりにも役立つ構想となっている。自前の送電線や配管を敷設し、中核となるビルに都市ガスを燃料とするコージェネ設備などを設置し、必要な電力とお湯の一部を賄う。2つの街区にわたってオフィスビル2棟とマンション1棟を建築コージェネだけでは電力が足りない時にも同ビルが東京電力から一括受電し他の2棟に配電するということだが、これは余り簡単な話ではないだろう。街区をまたがるということは公道をまたぐことになるから、それを横切って自前の電線や熱供給パイプを敷設することは制限されているはずだからだ。ビルに災害時の緊急避難場所や備蓄倉庫を設けて公共性を高め、国や地方自治体から開発許可を得たということだが、3/11前であればこれは認められなかった可能性が高い。エネルギー供給の市場関連規制が大きく変わりつつあることの具体例だろう。