効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

ナトリウムイオン電池

住友電工がリチウムではなく、価格の安い、また、入手が容易なナトリウムのイオンを使う新型の蓄電池を開発したと報じられている。価格が電気自動車用のリチウムイオン電池より価格が10分の一で1キロワット時あたり2万円。いまリチウムフィーバーになっているが、この商品化が2015年だというから、それまでにリチウムイオン電池の価格が大きく下がらなければ、このナトリウムイオン電池が市場を席巻するかもしれない。ナトリウムを含んだ化学物質が高温で溶けている「溶融塩」が材料となる。日本碍子NaS電池と同じだが、京都大学と共同で、溶ける温度を摂氏57度と低くするのに成功したことで取り扱いが容易になったそうだ。エネルギー密度が一般的なリチウムイオン電池の約2倍。ただ、溶ける温度が低くなったとはいえ、常に摂氏80度を維持しなければならないのは課題となる。しかし、NaS電池のように3〜400度と比較して遙かに低いので、危険性の点でも温度保持の制御も大きな障壁にはならないだろう。一戸建て(4人家族)で使う蓄電池の規模で約18万円だそうだから、うまくシステムを組めば、既築住宅にも十分設置することが可能となる。
いまリチウムイオン電池を使った電気自動車の航続距離が100〜200キロメートルと短いことがいろいろ論議されている。しかし、この電池を使えば、いまのガソリン車とほぼ同じ距離を走ることができる。新型電池の必要性が言われていたが、これほど早く登場するとは思わなかった。ニーズがあれば技術開発にも焦点が定まるから人と金を投入することができた結果だろう。これは特許を申請中だから、認められれば日本発の世界商品としていろいろな形のビジネスとして具体化するだろう。商品化を楽しみにしたい。あるいはまたこれに対抗する新しい素材の蓄電池が発表されるかもしれない。激しい競争が生まれつつある。