効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

ホンダの飛行機ビジネス

時事通信が、ホンダの創業者、故本田宗一郎氏の夢が実現に近づいている、と報じている。ここで以前にも書いたことがあったが、ホンダがビジネス向け小型ジェット機を開発し、それが、いよいよ来年から量産が始まり、欧米の空を飛ぶ。同社が飛行機の開発に着手して半世紀。昨年12月に小型ビジネスジェット機「ホンダジェット」(7〜8人乗り)が米国で初飛行に成功したのだが、86年からジェット機の本格的な研究がスタートしたというから半世紀を要している。試行錯誤が繰り返され、昨年末にようやく初飛行にこぎ着けている。ホンダジェットは米ゼネラル・エレクトリック(GE)と合弁事業のエンジンを除き、自前で開発したし、それも通常は胴体に付けるエンジンの位置を主翼の上に置く独自の形状で、同じクラスの小型機よりもキャビンが広く、燃費が10〜15%良いというのだから、ホンダイズムの結晶みたいな飛行機だと感じる。主翼の上にエンジンなど、常識に逆らったようなデザインを完成させ、これまでの飛行機にはない、それこそオンリーワンの商品を作り上げたのだ。生産は米国で行い、2014年にも年80〜100機の量産体制を整えると報じられている。三菱重工が商品化しようとしている旅客機ほど大きなものではないが、独自の飛行機を日本から市場に出したのだから大したもの。既に欧米の中小企業オーナーらから100機以上を受注しているのだから競争力、商品としての魅力も十分備えている。
開発担当者は、いかに創業者の強い意向があったとはいえ、よくこれだけの長い期間耐える強靱な精神力を持っていたものだと思う。これまでに経験した紆余曲折を社会に紹介してくれないだろうか。原付自転車から始まったホンダのベンチャー精神が、空を飛ぶ移動手段を完成させて、日本を元気にしてくれたのだから。