効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

揚水発電所

東芝は8日、米ミシガン州揚水発電所向けに発電設備を受注したと発表した。受注額は約410億円。ポンプ水車や発電電動機など出力31.2万キロワット級の既存設備6セットを、36万キロワット級の設備に更新する。更新する水車は重さ約260トン、直径約8.4メートルと揚水発電所向けとしては世界最大という。この記事の説明に、揚水発電水力発電の一種で、夜間の余剰電力を使って水をくみ上げ、電力需要の大きい昼に水を落として発電するとある。日本ではそうだが、世界的には必ずしも夜間電力だけではない。
欧米ではスマートグリッドで変動を予測できない風力発電を大量に受け入れるのに、揚水発電を利用する方式が真剣に検討されている。新たに設置するのではなく、既存のものを今回のように増強したり、遠方の設備を利用できるようにするようだ。たとえば、欧州では、英国とノルウェーの間を高圧直流送電線で結んで、英国がこれから大量に導入する風力発電の変動をノルウェーに多い水力発電で吸収しようとしている。この送電線の容量は200万キロワットというからかなりの効果があるだろう。これは欧州で計画されている北海に敷設されるスーパーグリッド計画の一環になるはず。国をまたがって大容量の送電線をひくのが欧州なら、米国の場合には州をまたがって高圧送電線を縦横に建設しようとしている。この場合、海底と違って陸上だから、住民から反対を受ける可能性も高い。だから、高くそびえる鉄塔に高圧送電線を張るのではなく、地下埋設でやろうとする計画もある。その場合、連邦政府が管轄しているハイウエーに沿って敷設しようとするのがやりやすいとされている。地下に埋設するとすれば、高圧直流か、高圧超伝導送電方式が採用されるだろう。この辺りの技術開発が進展することは確実だ。